配達中のイヤホンは違反?

配達中のイヤホンは違反?

自転車走行中のイヤホンは法的には違反ではない

Uber Eatsで配達をしている時、スマホと接続されたイヤホンを着けている配達員は結構多くいます。
配達中に音楽を聴いているということもありますし、音声ナビを聞くためでもあります。
自転車で走行していると周りの音がうるさくて、ナビの音声ガイドが聞こえないのでイヤホンを着ける必要があると感じているのです。
こうした自転車走行中のイヤホン装着は法律違反として摘発されないか、という疑問を持つ人もいます。

厳密に法律でイヤホン装着を禁止しているわけではない、というのが結論です。
2015年に道路交通法が改定されて、その中に自転車走行についてのルールも加えられています。
そのルールでは摘発対象となる危険行為として14の違反行為が記されています。

そこで注意したいのが「安全運転義務違反」と呼ばれるものです。
これは具体的な行為が記されているわけではないのですが、一般的に危険と考えられるスマホをいじりながらの運転や傘を差しながらの運転などが含まれます。
しかし、少なくてもこの法律ではイヤホンの装着自体が違反となることはありません。

地域によって取り締まりの基準が異なるので注意が必要

上記のように、道路交通法ではイヤホンの装着自体は違反とならないのですが、地域によっては適切対象となることもあります。
つまり、地域条例でイヤホン使用を禁じている自治体があるのです。
その地域においては、イヤホンを着けながら配達をしていると条例違反となり罰金を科される恐れがあります。
ただし道路交通法違反ではありませんので、他の安全運転義務違反の罰則となる講習受講などのペナルティーが科されることはありません。

また、条例で禁止されなくても実際に配達をしている時に警察官に止められて、イヤホンを外した方が良いと言われることもあるでしょう。
これは、あくまでも法律違反の取り締まりでなく、指導や警告として行われるものです。
特にイヤホンで音楽を聴いていて、音楽が周りにも聞こえるなど明らかに大音量だと分かる時には、周りの音が聞こえなくなるので危険と判断されます。

事故を防止するためのいわば注意として警察官の裁量で行うものです。
このケースではいきなり罰金が科されることはありませんが、「自転車指導警告カード」と呼ばれるイエローカードが渡されることがあります。

どこまでが摘発も指導も受けないイヤホン装着のラインかというのは、実際には微妙なところです。
たとえば、片耳だけの装着であれば良いのか、耳をふさがない骨伝導イヤホンなら良いのかといった疑問が出てくるかもしれません。
大事なのは、周りの音が聞こえるかどうかということです。
車の音に気付かず進んでしまうことがあるとか、警察官の制止に気付かないといったことがあると、危険な行為と判断される恐れがあります。